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生物化学療法とは? 自閉症児に共通の生物学的問題点 生物化学療法では何をするのか? 生物化学療法を受けた人による評価は? なぜGFCFやキレーションで結果が出ない? なにから始めれば良いか? それでもスタートするのに不安があるが? お問い合わせ ■現在全米では700名を超える自閉症の専門医が活躍しています。 ■ 1995年のそれら専門医の決起大会以来、正式に病名が取り下げられ自閉症が完治した子供の数は数千人にのぼり、症状が改善した子供の数はそれを遥かに上回ります。 ■その治療法は生物化学療法(Biomedical Treatment)と呼ばれ、食餌療法やサプリメントを中心として、身体が持つ本来の治癒力によって疾患を治す統合療法です。 ■米国では 自閉症は治療できるを合言葉に生物化学療法の普及が急速にすすみつつあります。 ░ 生物化学療法とは? アメリカにおける自閉症治療の研究の中心的存在の自閉症研究機構(ARI : Autism Research Institute)は過去の数多くの研究と実証に基づき、自閉症は生物学的な障がいと結論付け、1967年の設立以来、有効な治療方の開発とその普及を進めています。 自閉症が生物学的な障がいだということは二つの重要な意味を持ちます。 (1) 自閉症の諸症状は広範囲にわたる身体の疾患が脳に生化学的な影響をあたえて起こるということ。 (2) つまり自閉症は身体の生物学的問題を治療することで改善するということ。 身体の根本的疾患と自閉症の諸症状との関連性は、これまで膨大な数の研究発表や事例により明らかにされてきました。 しかし、一方では自閉症と診断が下されたとたん原因不明の脳神経疾患として扱われ、その裏にひそんだ身体的な医学的疾患が見逃され、適切な治療が行われないという現実もあります。 アメリカでは、この現実を打ち破り、生物化学療法による本格的な自閉症治療を進めようとする医師が1995年にARIの下で、DAN!ドクター(DANはDefeat Autism Now の略語で 自閉症を克服しよう!の意)として結束しました。 結束から15年を経て、現在では700名を越すDAN!ドクターがアメリカ全国で自閉症の治療をすすめています。 ░ 自閉症児に共通の生物学的問題点 最近の研究と長年に渡る臨床的経験から、自閉症児には免疫上の問題をもつ傾向があることが明らかにされてきました。また、その原因についても重金属などの環境毒素、抗生物質の過剰な使用、その他様々な可能性が発見されつつありますが、公式に統一された結論を得るまでにはいたっていません。 その一方で、免疫の問題と密接に関連すると考えられる身体内部の疾患が自閉症の症状に大きな影響を与えている事実が、米国自閉症研究機構(ARI)を中心とした研究と実証により次々と明らかにされてきました。 そしてそれらの問題に対する極めて有効な対処法として確立されたのが生物化学的治療です 生物化学的治療が対象とする身体内部の疾患は多岐にわたりますが、広く自閉症児に共通する最大の問題点は以下の3点に集約されます。 ● 食物に対するアレルギー 免疫システムがアレルゲンに対して反応するのと同じように、神経システムも特定の食物に反応し、様々な行動上の異常を引き起こします。同時に、アレルゲンは腸壁を痛め、荒れた腸壁から神経毒を含む様々な毒素が体内に入り込むことを助長します。 それら毒素の一部は脳の働きを阻害し自閉症の症状を悪化させます ● 腸内で毒素を産出する真菌やバクテリアの増殖 免疫異常、抗生物質、その他なんらかの理由で腸内の細菌のバランスが崩れカンジダのような真菌やクロストリジウムと呼ばれるバクテリアが増殖すると、腸壁を荒らして微細な孔をあけ腸内の毒素を血流中に流出させます。 また、カンジダとクロストリジウムの代謝物もまた神経毒で、血流を通って脳に到達し障害を引き起こします。 ● 体内に取り込まれた環境毒素の影響 重金属などの環境毒素が神経系に障害を引き起こすことは水銀中毒症(その症状は自閉症の症状と酷似しています)などの例でも明らかですが、それらの毒素は更に免疫機能を阻害して腸内での好ましくない真菌や細菌の異常増殖を助長し、体内への毒素の侵入の一因となります。 これらの阻害要素を取り除いたり、あるいは軽減することにより、ほとんどのケースで自閉症の症状が改善することが経験的に確認されています。 ░ 生物化学療法では何をするのか? 生物化学療法という言葉には皆さんあまり馴染みがないことと思いますが、じつはよく話題にのぼるGFCFやキレーションも自閉症に対する生物化学療法の一部なのです。 でもそれらはあくまでも本来の取り組みの一部であって、GFCFやキレーションだけで本来の目的を達成することは難しいといえます。 生物化学療法の本来の取り組みでは、前章でふれた自閉症の3つの根本的な問題のすべてを、複数の治療法を組み合わせることにより複合的に、そして段階的に治療します。 自閉症の症状は知覚発達の遅れや問題行動をはじめとする自閉症特有の症状だけを示す場合から、それに加えて湿疹、軟便、多動、発疹、目のクマ、その他様々な症状を合わせ持つ場合まであり、一人ひとり異なります。 従って、症状だけを見てその子の免疫システムに影響を及ぼしている原因を特定することは非常に困難なので、問題を特定するための生物化学検査が非常に重要になります。 治療内容を目的別に大別すると次のようになります。 □ 体内への毒素の取り込みアレルギーを起こす食物の排除 □ 腸壁の修復 □ 栄養バランスの回復 □ 体内の毒素の排泄 そして、それらの目的達成のために用いられる主な手法はまた以下のように大別できます。 ○ 除去食ダイエット 牛乳、小麦、大豆、その他のアレルギーを起こす食物の除去 ○ サプリメントによる基礎栄養補充 カルシウム、マルチビタミン&ミネラル、ビタミンB6&12、必須脂肪酸、抗酸化サプリメント、プロテインなど。 ○ 薬とサプリメントによる腸の健康修復 抗真菌薬、プロバイオティックス、抗真菌サプリメント、消化酵素など。 ○ 薬とサプリメントによる解毒促進 解毒剤、解毒サプリメント、エプソム塩入浴など 例として代表的なサプリメント名や薬品種をあげていますが、実際に使われるサプリメントの選択肢は更に多く、お子様一人ひとりの疾患の状態と治療ニーズに合わせて注意深く選ぶ必要があります。 一部の基本的なサプリメント(「なにから始めれば良いか?」の章を参照)を除き、使用する前に必ず専門家と相談してください。 また、ムダのない効率的な治療を可能にするためには自閉症のための専門検査機関で生物化学検査を受け、お子様一人ひとりの問題を正しく把握することが大切です。サプリメントを使用する前になるべく検査を受けるようにしてください。 検査は主に便、尿、血液、そして毛髪により行われ、通常の血液や尿検査などでは見落とされるような自閉症検査にとって重要な異常を検知します。 GPL検査について 具体的になにから始めれば良いか、詳しくはこちらをご覧ください。 何から始めればよいか? ░ 生物化学療法を受けた人による評価は? では、生物化学療法の体験者はこの取り組みをどのように評価しているのでしょうか? 以下は過去10年以上にわたりアメリカで生物化学療法を受けた26,000人以上に及ぶ自閉症児のご家族へのアンケートで、各セラピー、または治療項目ごとに自閉症の症状に改善がみとめられたと答えた方の割合です。
• 抗真菌薬およびキレーションは検査により必要と判断された場合のみ行われました。 • バイオメディカル療法では通常複数のセラピーを組み合わせて実施します。それぞれの療法を単独で行っても同様の効果が期待できる確証はありません。 ワクチンと自閉症との関連をめぐる果てしない議論や、「GFCFは苦労が多いわりに効果が出ない」「キレーションをやったが全く症状が改善しなかった」などの多くのご家族の苦い経験談が後を絶たない一方、アメリカでDANドクターと自閉症児の家族が力を合わせることにより拡がってきた生物化学療法は、いまや自閉症に対する最も期待できる療法として定着していることがよくわかります。 ░ なぜGFCFやキレーションで結果が出ない? では、GFCFやキレーションなどで効果が得られなかったケースが今も報告されるのは何故でしょうか? 米国カリフォルニア州にて自閉症児を治療する傍らDAN!ドクターの訓練も行うカート・ウォーラー博士は、「生物化学的治療プログラムは一人一人異なり、同じセラピーが全員に同じ効果をもつとは限りません。 例えば、GFCFを行ってもそれ以外のアレルギーや腸内細菌のアンバランスなどがあれば症状の改善はなかなか現れないかもしれず、往々にして複数の治療を組み合わせる必要があります。 また腸の健康が改善していない段階でのキレーションは時期尚早である可能性が高いのです。」と説明しています。 また、除去食、真菌駆除、キレーションなどの生物化学療法は一時的な症状の悪化を伴う場合が多く、その際に医師も親御さんも不安になって治療を中断してしまうケースがよく見受けられます。 治療を中断すると成果が得られなくなるばかりか、時として治療を開始する前よりも状態が悪化する場合もあります。 検査を受け専門家と相談しながら、必要な治療を組み合わせて行うことで必ず変化が見られるはずです。 ░ なにから始めれば良いか? 日本においては生物化学療法を実践する医師が極めて少なく、興味があっても始めにくいという状況がありますが、医師と相談する前に出来ることが多くあります。 自閉症では、お子様一人ひとり症状が異なりその裏にある身体内部の疾患の状態もまた同一ではないため、個々の詳細治療計画を作るためには医師の助けが重要になります。 また、腸内の真菌を退治するための抗真菌剤や、体内の毒素を排出するためのキレーションに使うキーレート剤などの薬も医師なしでは使うことができません。 しかし、生物化学療法の中心は食餌療法(ダイエット)やサプリメントなどの薬を使わない代替医療であり、その基本部分の実施内容はほぼ全ての自閉症児に共通です。従って、もしも医師が見つからなくても、まずこの重要な基本部分からスタートすれば良いのです。 自閉症の治療の開始は早ければ早いほど効果が出やすく、米国の専門家達は「一日も早い治療のスタート」を声を大にして提唱しています。 基本的な治療を速やかにスタートすることにより、症状改善の歩みが速まると同時に、将来のより専門的な治療のためのしっかりした土台を築くことも可能となるのです。 では、具体的に何をしたら良いのか、前述のカート・ウォーラー博士が推奨する基本ステップを以下のとおりご紹介します。 1. まず最初にすること (1) GFCF(食事から小麦と乳製品の除去)から始めましょう。 必ず全員が小麦と乳製品にアレルギーがあるとは限りませんが、経験上極めて多くの自閉症児がこのアレルギーを持ち、またアレルギー検査で反応が確かめられないお子さんもグルテンやカゼインの問題を持っているケースがあるので、検査を待たずに直ぐこのダイエットをスタートすることを勧めます。 その他の食品へのアレルギーや、アレルギー以外の問題がある可能性もあるため、GFCFだけで症状の改善は見れないかもしれませんが、多くのお子さんにとってGFCFは非常に重要な第一歩といえます。 ただしGFCFをはじめとして除去食ダイエットをするときには、必ずサプリメントで不足する栄養の補給をしてください。 (例: 乳製品を除去するならば必ずカルシウム+マグネシウムのサプリメントを使用するなど・・・。) 一言でGFCF開始と言っても、全ての食事のレシピを一度に変えることは大変です。 更にGFCFの際には必ずサプリメントで栄養補給する必要があり、そのサプリメントをお子さんにのんでもらう事自体が、場合によっては大仕事となります。 したがって一度に全てをしようとせず、以下のようなステップでスタートすることをお薦めします。 各ステップの期間の目安は1週間程度が妥当かと思いますが、お子さんの様子をみながら無理のない範囲での最短期間で進めてゆけば良いでしょう。
(2) グレートプレーンズラボラトリー(GPL)社の自閉症基礎検査を受けます。 GPL社の基礎検査セットは症状の重軽度に関係なく、自閉症に最も多く見られる根本的な体内における異常を把握し、正しい治療方針をたてることを可能にする検査セットで、以下の4つの個別検査キットを含んでいます。 ● IgG食物アレルギーテスト(血液) ● 有機酸テスト (尿) ● グルテン/カゼイン・ペプチドテスト(尿) ● メタルテスト(頭髪) 検査結果は検体を送付後約3週間程度でE-mailで連絡されます。 基礎検査セットを注文する グレートプレーンズ・ラボラトリー (GPL)社は自閉症の様々な症状に影響を与える自閉症児に共通する生物医学的原因の検査をする専門機関です。 創設者のウィリアム・ショー博士は自閉症の生物医学的研究の第一人者であり、また「自閉症とPDDに対する生物学的治療」の著者でもあります。 ショー博士の開発した検査の多くは特許技術のため、GPLでしか受けることができません。 GPLの検査について詳しく知りたい方はこちらを参照ください。 → GPL検査について知る (3) 米国専門医によるGPL検査結果の説明と基本的なアドバイスを受けます。 相談する専門医がいらっしゃない方のためのステップです。 もしも専門医がいらっしゃる場合は次項(4)へお進みください。 また、もし専門医による指示が受けられなくても、GPLの検査結果に基づいて正しい治療をスタートできるよう、iWANTでは米国専門医によるGPL検査結果の説明と治療の進め方に関する一般的なアドバイスを受けられるサービスをスタートいたしました。 直接問診を行わないため、お子様一人ひとりの医療上のご相談や薬の処方はできませんが、検査結果の意味すること、除去食ダイエットで除去する食べ物の範囲、除去の進め方、使用するサプリメントの種類、そして使い方などにつき一般的なアドバイスを提供いたします。 検査をご注文の際に合わせてお申し込みいただくことも可能です。 詳しくはこちらをご覧ください。 → アドバイスサービス 2 より長期的な取り組み (4) 医師との面談。 GPLから送られてくる検査結果(日本語に翻訳済み)を持って専門医と詳細治療計画の相談をしてください。 GPL検査結果に加え、病歴、発達の概況、健康面および行動面での懸念点、他の疾患や障がいの有無、使用中の薬など、お子様一人ひとりの詳細情報を基により詳細で長期的な治療方針が作られ、必要と判断された場合には薬も使用されます。 (5) アメリカ療育体験。 iWANTでは、相談する専門医が日本で見つからず、米国の専門医の治療を受けることを希望される方をお手伝いする「アメリカ療育体験」サービスを行っています。 米国での最高3ヶ月の滞在中には、DANドクターによる治療だけでなく、オステオパシー、ニューロフィードバックセラピー、HBOT(高圧酸素療法)などの自閉症の症状改善に実績のある治療やトレーニングを一緒にお受けになれます。 また、ご希望があればヴィジョンセラピー、スピーチセラピーなどを受けることも可能です。 詳しくはこちらをご覧ください。 アメリカ療育体験について ░ それでもスタートするのに不安があるが? 総合的な自閉症やPDDに対する生物化学的治療はまだ日本では前例が少なく、興味をもたれた方もいざスタートするには不安と戸惑いがあるかと思います。 しかし、勇気を持って一歩を踏み出し、お子さんの症状が軽くなり、目に力が戻り、気持ちがより通じ合うようになること経験をされ、ご自分の選択が正しかったと確信される方もまた確実に増えつつあります。 更にアメリカには過去15年にわたる生物化学療法の歴史と実績があり、その間に蓄積された研究と経験は、GPL社の検査技術に、ニュービギニングズ・ニュートリション社やカークマン社のサプリメントに、そして700名以上居るDAN!ドクターの知識や知恵としてしっかり根付いています。 私たちは手さえ伸ばせばそれら蓄積されたノウハウの恩恵にあずかることができる、恵まれた環境にあることも事実なのです。 今、私たちがすべきことは手を伸ばすことです。遠からぬ将来、日本でも必ず自閉症をはじめとする様々な障がいの生物化学的な治療を行う専門医が増えます。それまでの間i-WANTは、少しでも多くの方が手を伸ばし、お子様の身体のなかの生化学的バランスを取り戻して自閉症の症状を改善する新たな取り組みにチャレンジできますよう、微力ながらお手伝いをいたします。 ░ お問い合わせ 只今、お問い合わせはe-mailでのみお受けしております。下記ボタンをクリックしてご連絡ください。24時間以内(土日・休日を除く)にご返事申し上げます。 お問い合わせはこちらから
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